8月終わりの北海道 DAY2
- Day:2011.09.17 20:29
- Cat:とらべる<旅行>
まったく、9月も後半に入ったというのに、この暑さはなんなんでしょうね!!プンプン!

暑いだけではなくて、このところ湿度もずっと高いみたいです。お店に加湿器があるのですが、8月の暑さ真っ盛りの頃はタンクを満タンにしても1日もたないくらいだったのに、この1週間くらいずっと水が無くなりません。つまり、ずっと湿度高いってこと。だから、よけい暑く感じるんでしょうね。

暑さ寒さも彼岸までっつーじゃないですか、ねっ。太陽さん、よろしくお願いします。


さて、8月末の北海道旅行のレポート、2日目に突入いたします。2日目は札幌を出発し、小樽、余市を経て、真狩に到着します。

朝、ホテルをチェックアウトしレンタカーを借りいきました。レンタカー屋さんに、「小樽にはどういったらいいんですか?」と聞くと、「高速と下道とありますが、どちらも時間は殆ど変わりません」とのこと。さーすがぁ、北海道、でっかいどう!!

小樽までは1時間くらいのドライブですんなり到着。
そうそう、生まれて初めてカーナビ付きの車でドライブしました。自宅の車は未だにカーナビ付いてません。


まぁ、今時の方々は、地図の見方を覚えなくたって、Facebookの使い方は覚えなくちゃいけなかったりするわけですから、知識の総量はいつの時代も変わらないのかもしれません。



小樽は二度目。

前回来たのは雪の季節でした。そのせいか、すごーーくキレイ!という記憶があったのですが、今回はそれほどの感動はなかったかも・・。


もともと1,2時間の観光予定でしたが、観光=お土産ショッピングという発想がどうも・・・・な私にとっては、それでも時間をもてあましちゃうかもって感じです。
結局11時まで待って、オープンし立てのお寿司屋さんに速攻入りました。お寿司を食べていたら、お店の大将の親戚のおばちゃんみたいな方が入っていらして、もう一人のお客だった学生一人旅風のお兄ちゃん相手に会話を始めて、二人の、いやおばちゃんの話しが面白かったです。

早めのお昼を済ませた後は、余市に向かいました。余市は小樽から海岸沿いに東へ進んだところ。結構近いです。
余市って、北海道のワイン産地としては、私が子供の頃から有名だったような気がします。(つまりすごくすごく昔!) 海辺の町なんですね。だからどうだってわけではありませんが、こんなに海の近くでブドウ造ってるのかとちょっと驚きました。

この日見学させていただいたのは、こちらの生産者さんでした。お忙しい中、お時間をいただき本当にありがとうございました!




ドメーヌ・タカヒコ
http://www.takahiko.co.jp/index.html
現在多くのワイン愛好家が熱い視線を注ぐ注目の生産者、曽我貴彦さんのドメーヌです。自ら農民(ヴィニュロン)を称し、哲学を持つ職人として、小さな規模でのワイン造りを目指していらっしゃいます。
HPにとってもしっかりと詳しく思いが綴っていらっしゃるので、ご興味のある方は是非ご覧になられてください!!
先日そのワインをいただく機会があり、日本のワインとは思えない(こういう言い方は多方面に渡り色々失礼だと重々承知しておりますが、正直そう思いましたので)その自然な美味しさにいたく感動しまして、是非訪問させていただきたいとお願いしました。
畑の様子。(右手前の棚作りは、生食用のブドウです。)

活き活きと元気いっぱいな植樹2年目のピノ・ノワール。来年から収穫できるそうですよ!楽しみですね!


一年目のピノ・ノワール。元気に大きくなれ~~!


北海道は、世界でも稀な収穫が遅い地域なのだそうです。

開花は6~7月、収穫はどんなに早くても10月に入ってから。10月になると気温が下がってきますが、ブドウは一日の温度が6~15℃くらいなると、紅葉、落葉の準備で自然と水を吸わなくなってくるんですって。これが理想の収穫のタイミングと考えていらっしゃるそうです。また、収穫が遅ければ日本の秋雨も避けられるという利点もあるそうです。

北海道でも糖度は十分に上がり、実際 曽我さんは、前職の関係で日本いたるところのブドウを食べて歩いた中で、この余市のピノ・ノワールの品質の高さに感動して、この余市にドメーヌを置くことを決められたのだそうです。


続きまして、セラーでお話しを伺いました。


とっても興味深いお話しをたーーくさんお聞きしたのですが、今回は微生物/醗酵のお話しに絞ってみたいと思います。

曽我さん曰く、日本は醗酵文化の国。
実は、日本って微生物の量が他の国と比べものすごーーーく多いんだそうです。


微生物の多様性は、ワインの醗酵に関係する微生物の多様性となり(酵母だけではなく、色んな働きをする微生物がいる)、醗酵の結果複雑で豊かな旨みが生まれ、それが日本のワインのアイデンティティの一つになるのではないかと考えられているように感じました。
いかに沢山の微生物を働かせるかというのが重要かつ難しいところ。コントロールが大変ですねと言うと、人の手が加わると、自然な微生物の構成のバランスが崩れるから人の手を加えるほどそれは難しくなるとおっしゃっていました。
実際、2010年のピノ・ノワールを樽から試飲させていただいた時(既に素晴らしく美味しかったのですが!!



うわー、ホントにすごい旨みです!!


畑見学中にも話題になったのですが、日本人の舌、そして食事に合うのは、決して所謂「渋くて重い」ワインじゃないはず。(まぁ、最近はずい分そのフレーズも聞かなくはなってきたんですけどねとお話はしたんですが) 日本人に馴染むのは「薄旨い」スタイルじゃないかという話しになりました。
フランスなら地中のミネラルが、お料理の中にも入り込み(野菜や水を通して)、だからミネラリーなワインとの相性はいいはず。カリフォルニアは、乾燥が激しいのでブドウだけでなく自然と野菜の味も濃くなっているんだそうです。だから、そういう濃い味の食材と濃厚なワインの相性は良いのかもしれない。
一方日本は、多様な醗酵食品を使って料理を作っているんだから、同じ日本の多様な微生物環境が造り出す豊かなワインの旨みは日本料理文化との相性は良いはずとのこと。
うん、うん、そうですよねー!薄旨サイコー!


実は、ちょっと前に非常に優秀な外国人のテイスターの方から、私がこのワインには旨みを強く感じると言うと、「自分はワインに旨みがあるとは思わない。もちろん、子供の頃から旨みに慣れ親しんできた日本人は違う感じ方をするのかもしれないが。」と言われたんです。

ウチのお店でも、お客さんに「これ出汁っぽい風味」とか言うと、最初は怪訝な顔をなさいますが、皆さん「わかる!わかる!」っておっしゃいますもん。

話しを戻して、
じゃあワインの旨みは、全て醗酵の過程で生まれるのですか?と聞いてみました。それは地中で活躍する微生物由来だったり色々だけど、ブドウそのものにも日本ならではの旨みがあるのではとおっしゃっていました。なるほど~。

前のお仕事で、アメリカやヨーロッパの尺度でいう良いブドウを日本で探そうとしていた時、日本の農家の方から「このブドウの旨みが判らないかな」と言われことがあるそうです。今ではその通りだと思うと話していらっしゃいました。
なんかすごいですね!ヨーロッパのワインに負けないワイン!というのではなく、日本のワインとしてのアイデンティティ!!


私、ワクワクしてきちゃいました!



こういう造りができるのも少量生産ゆえですよね。日本ももっともっと小さなドメーヌが増えていくといいですね!!
曽我さま、お忙しい中お時間をいただき本当にありがとうございました!!2011年も素晴らしいワインができることを遠く千葉からお祈りしています!
本日からの新しい店頭試飲ワインをご紹介です!!


■ ノエラ・モランタン・テール・ブランシュ 10 白 ¥2,650(税込)
絶対、ノエラ・ロモランタンって言いたくなります。

クロ・ロッシュ・ブランシュのテール・ブランシュの畑を、新井順子さんのところから独立したノエラが引き継いで造るワイン。テロワール、テロワールって言うけど、やっぱり生産者さんの哲学とか思想って大きいんだなと思う1本です。
スタイルは違うけど、もちろん美味しいです!!

■ シリル・アロンソ・PUR・クワルツ・エ・サーブル 09 赤 ¥2,560(税込)
秋だからでしょうか?何故か先日から、ガメイが飲みたい、飲みたいという思いに駆られ、しばらく店頭試飲用に美味しいガメイを物色しておりましたが最終的に選んだのがこのワインでした!
さすが2009!!ガメイとしては、かなり力強い構成です!そしてアロンソの造るナチュラルな旨みが味わいに奥行きを与えています。ちょっとだけピノっぽいかも!

皆さまのご来店お待ちしております!!!


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