東京料理サミット 2009 Tokyo Taste その2 エル・ブリ フェラン・アドリア編
- Day:2009.02.26 21:27
- Cat:いべんと<イベント>
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こちらのエントリーでご紹介しましたように、先日 タダ券が当たったため、世界料理サミット2009なるイベントに行ってまいりました。
今回はあのエル・ブリのシェフ、フェラン・アドリア氏の講演の模様をご報告したいと思います。

ジョエル・ロブション氏の??な講演に比べ、フェラン・アドリア氏の講演は非常に楽しく聞くことができました。
彼の料理に対しては色々意見もあると思いますが、平たく言うと彼の印象は「工作好きの好奇心旺盛な少年」のような人。ビジネスが彼の動機付けになっているのではなく、46歳にしてもなお、活き活きと輝きを失わないピュアな好奇心が彼のエネルギーの源になっているように感じました。
もちろん、たった一時間の講演を聞いただけなので、彼の本心など知る由もありませんが・・・。[:ひやひや:]
また、この1000%非日常の料理は『芸術』なのか???自分の中で位置づけできずに、ちょっとモヤモヤした気分がしましたが、そんなの食べてみないとわかりませんよね~。 [:猫2:] その辺のご判断はエル・ブリの料理をお食べになった方にお任せすることにして、今回は考察は含まず単純にレポートしたいと思います!![:わーい:] [:わーい:]
※と言いつつ、既にもう記憶が怪しい・・・今日この頃 [:悲しい:] [:悲しい:]
勝手な解釈も織り交ぜての眉唾レポートだと覚悟してお読みくださいませ。
エル・ブリと日本の懐石料理の類似性みたいな話しをよく聞いていたような気がするのですが、フェラン・アドリア氏が日本を初めて訪れたのは結構最近で2002年なのだそうです。壬生さんや吉兆さんを訪問し、その料理に驚きます。ただ最初の訪問時では、まだ”説明し難い”ものだったようです。その後訪日を繰返し、壬生の石田さんなどと交流を深めることにより、日本料理の性格として、純粋性、ピュアさ、フレッシュさなどを感じるようになりました。日本料理のsensibility(感受性)は西洋にはないものだそうです。
ただ、自分は日本料理には影響を受けているが、「日本料理を作ろうという気は無い」と仰っていました。
こちらは、ピュアさを表現した料理として紹介された(確か・・[:ひやひや:] ) 様々な種(タネ)=生命の源 を使って作られた料理。

このような彼を代表するいくつかの料理のスライドよる説明があった後、実演が始まりました。日本にインスピレーションを受けて考え出された料理達です。

お抹茶を飲んだ時に感じた”濃さ”を再現したスープ。お抹茶ではなく、チャービルのパウダーを使用。

日本酒のシャーベット。出たー!!液体窒素!![:拍手:] [:拍手:]
お酒は凍らないので、液体窒素をまぜてシャーベットにしてグラスに入れ、それにトニックウォーターを注いでサーブ。
次は温泉玉子にインスパイアされて生まれた料理。
2002年頃 温泉玉子がヨーロッパで流行っていたそうですが、来日するまで日本のものだとは知らなかったそうです。温泉玉子の食感って、西洋の方には結構驚きみたいですね。[:ラッキー:]
東京の黄身のニョッキ
noquis de yemade huevo tokyo
「カツオと昆布のだしに浮かぶのは、温泉卵からヒントを得た卵黄のニョッキ。白身に見立てたものは乳清のゼラチン。ユズの粉、紫蘇、白ゴマと日本の食材を散りばめた日本へのオマージュともいえる一皿。」
↑ 配布されたテキストより引用。

黄身でニョッキのようなものを作ります。テキストによれば、黄身を55℃でかき混ぜながら火を通し、さらに攪拌しながら冷まし、さらに-20℃で冷凍し、また解凍し、注射器に入れて、しょうが油の中で絞りカットするとのこと。
↓ほぼ完成したところ。

スープは出汁にキサンタン(キサンチン・ガム?)なる魔法の物質を入れてトロミをつけたもの。キサンタンは1Lにわずか2g入れればトロミが付くっつーものらしい。[:見る:]
白身はヨーグルトを濾して乳清を抽出し、ゼラチンで固めたもの。やはりヨーグルトの味がするらしい。
その他に、トロミを付けた濃縮お茶エキス、とびこ、柚子の粉、紫蘇の粉、ゴマ油などを少量ずつ加えて仕上げるそうです。
次は、オブラートを使ったカナッペ。

海外にはオブラートって無いようで、彼にとっては口に入れたら溶ける~! [:びっくり:] というオブラートが驚きだったようです。
単にオブラートの上に味噌バター、アスパラなどを載せてサーブするというもの。手で食べれて、最後に溶けるというのがサプラーイズ!らしい。
くれぐれも水気のあるものは載せないようにとのこと。
これ以降はスライドによるお話しでしたので、その中からいくつかご紹介します。
ピータン偽装事件 なんちゃって~[:汗:] [:汗:]

日本でピータンを食べて、ピータンのようだけど、ピータンではないものを作りたいという思いで作った一品。
白身に該当する部分は出汁に寒天、醤油、ゼラチンなどでできており、これを卵の殻に入れ、中に生の黄身を入れて固めて出来上がり。
黄身は生なので、割るとこのようにプシューッと飛び出してくる。サプラーイズ!![:わーい:]
次は雪の玉 [:ゆき:] を食べてみたい・・と思い作られた作品。

この風船の中にトマトジュースを入れ、特別な容器の中でクルクル回しながら冷やし固める。その中にエスプーマを入れ・・・

サプラーイズ!!!
いかがですか?今回の講演の中で多くでてきたのが、
興味のある食材を見つける → その食材の感覚を違うもので再現したい
のようなパターンでした。そして、アドリア氏はその再現の過程を不可能への挑戦と言うか、とにかく興味津々、非常に楽しんでやっていらっしゃるように感じました。
どうですか?皆さんはエル・ブリのお料理食べてみたくなりましたか?
私はミーハーかもしれませんが、食べてみたいというよりは、一回体験してみたいなーと思いました!![:わーい:]
最後に、彼の料理が次々に出てくる美しいビデオが流れました。
彼はこの時会場にいらしていた石田さんを壇上に誘い、「これは壬生の石田さんへのオマージュです」とおっしゃっていました。壇上に上がる石田さんがスクリーンに映ったのですが、その後ろで奥様が目頭を押さえていらっしゃるのが印象に残りました。
そのビデオの中には沢山の美しい盛り付けがありました。いくつかご紹介したいと思います。







美しいですね。
よく西洋はシンメトリー(対称)な美しさが好まれ、日本はアシンメトリー(非対称)な美しさが好まれると言われます。
残念ながら私は美術論とか建築論などの造詣は全くありません。[:ポロリ:]
でも、活け花を結構長くやってきました。[:チューリップ:]
活け花とフラワーアレンジの違いってかなりあります。活け花の基本形には左右対称のものはありません。(少なくとも私の習った流派では。) 今は随分変わってきていますが、フラワーアレンジは基本は対称形だと思います。
活け花は、1本枝を流すことにより、その背後の余白を感じ、さらにはその先の空間をも感じさせます。そのことにより、花のある空間だけでなく、何倍も大きな空間を表現することができます。また、ぐっしりと花を密に配置せず、空間と素材の大小などを利用することにより、静の花の中に動を感じさせることができます。
彼のお皿を見て、というか最近の盛り付けにはということなのかもしれませんが、こういう日本的な美しさを感じますよね。
うーーーん、何が言いたいのかよく分からなくなってきました・・・[:汗:] [:汗:]
日本人のDNAの中には、このアシンメトリーな美しさを感じる能力がしっかしりと植え付けられていると思います。こういうのは大切にしていきたいですよね。[:ラッキー:]
なんだか、尻切れトンボでなんですが、もう疲れちゃったので( [:たらーっ:] )この辺で終わりにしまーーす。
一体何の話ししていたのやら・・・・・。ハハハハハ。[:たらーっ:] [:たらーっ:]
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